夏の午後。
交差点の真ん中で、貴方を待つ。
強い日差しも、焼けるような暑さも感じなくなってしまったこの身体で。

「あぢ〜」
手を団扇代わりにしながら、貴方が来た。
今も愛しい、そして、誰よりも憎い貴方。
「久也(ひさや)っ」
こちらに向かって来るのを見計らって、私は声をかける。
貴方の耳に、ちゃんと届くように、強く願いながら。

貴方は立ち止まり、そして…
私は貴方に、再び会う事に成功した。

これからは、また一緒にいられるね。
「好きよ、久也」
私は、呆然とする久也の前で、クスクスと笑い続けた。