R1つ戻る
STOPへ戻る



【残酷桃太郎】後編

桃太郎は自分が入っていた大きな桃を食べ、見る見るうちに成長していきました。
しかし、身体の傷は直りましたが頭の傷は塞がりませんでした。
やがて成長した桃太郎は、鬼退治に出かける事にしました。
日本一の桃太郎と書いた旗を自分で作り、桃太郎は出発しました。

途中、犬に会いました。
「おいそこのクソ犬! 皮を剥がれたくなきゃ子分になれ!」
桃太郎は犬を脅して子分にすると、また歩き出しました。

しばらく歩いて行くと、今度は猿に会いました。
「おいそこの猿! その身体を赤い血に染められたくなきゃ子分になれ!」
桃太郎は猿を脅すと、子分にしてしまいました。

更に歩いて行くと、今度はキジに会いました。
「おいそこのキジ! 食われたくなきゃ子分になれ!」
こうして犬・猿・キジを子分にした桃太郎は、鬼ヶ島目指して歩いて行きました。

鬼ヶ島に行く為には、海を渡らなければなりません。
船を探していると、丁度そこに漁師がいました。
船も繋がれています。
漁師はきび団子を食べている所でした。
「おい、そのきび団子よこせ!」
桃太郎は漁師にそう言うと、持っていた旗で漁師を突き刺して殺し、きび団子と船を奪い取ってしまいました。
旗の先端は尖らせてあったのです。
桃太郎はきび団子をあっという間に平らげると、船に乗り込みました。
さすがに桃太郎も、毎日桃ばかりの食事に飽きていたのです。

鬼ヶ島に着くと、桃太郎達は鬼達を殺していきました。
殺らなければ殺られる。
犬・猿・キジも必死です。

そうして遂に桃太郎達は鬼の親分の所に辿り着きました。
桃太郎達の殺戮を見ていた鬼の親分は、桃太郎達には勝てないという事を悟っていました。
「お願いです。宝は全て差し上げますから、命だけはお助け下さい」
鬼の親分は命乞いをしました。しかし…
「知らん、死ねっ」
桃太郎はあっさり鬼の親分を殺してしまいました。
桃太郎は、そのまま鬼ヶ島に住む事にしました。

…しばらくたったある日、桃太郎の頭の傷口から角が生えてきました。
桃太郎は鬼になったのでした。


おしまい



R1つ戻る
STOPへ戻る