JEST
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───朝。
パーティが何事もなかったかのように目覚めると、ベッドの横にモンスターの死体が重なったままだった。
夕姫「きゃーでちゅっ!なんでちゅかコレ?」
本とに何も気付かずに寝ていた夕姫は驚いた。
お嬢「あーソレ、夜中に睡眠の邪魔したから皆殺っちゃったんだよね」
あっさりと言うお嬢。
パーティに化けていた魔物達の姿は、お嬢に倒されてそれぞれの姿に戻っていた。
夕姫「邪魔、でちゅねー」
そう、問題はこの死体の処理である。
普通のRPGの場合、戦闘後に何故か死体が消えてたりするのだが、制作者の陰謀により、【JEST】では死体が残るのだ。
お嬢「窓から捨てちゃえばいーんじゃない?」
お嬢がアッサリ言った。
夕姫「そでちゅね」
夕姫もあっさり頷く。
かくして死体は男達の手によって、窓から外に投げられていった(女達は「か弱いから出来な〜い」と言ったらしい。嘘をつけ、である)。
一人応援だけしている者(勿論応援狼)、夕姫に言われて手伝わなかった者(夕姫のお気に入りの猫パンチ)もいたが、死体は全て処理された。
爺閣下「そいえばトイレの前にも死体が1体あるぞなもし」
爺閣下が倒した魔物である。
そこまで言ってから、爺閣下は気付いた。
爺閣下「なおこちゃんは、無事ぞなもし?」
この宿屋にいるのは、パーティだけではないのだ。
一同はぞろぞろと、階段を降りていった。が…
なおこ「みなさんおはよーございます〜」
何事もなかったかのように、なおこは言った。
どうやら本物らしいが…。
爺閣下が一安心してトイレの前に行くと、死体が消えていた。
爺閣下「…なおこちゃん…トイレの前にあった死体、知らないぞなもし?」
爺閣下が戻って言うと、
なおこ「邪魔だったから片付けちゃいました〜」
なおこはあっさりと言った。
まさか…
なおこ「夜中に私ソックリな人が来て驚いたんですよね〜。気持ち悪いから殺したら、魔物だったんですけど!なんか町の中の人も消えてるみたいだし〜、この町って、魔物の町だったんでしょうかね〜?」
なおこが笑顔で言った。
皆がなおこの事を、あなどれんと思ったのは言うまでもない。
なおこ「皆さんの出発と同時に、私も次の町に引っ越そうと思ってた所なんですよ〜」
かくしてパーティとなおこは町を出て、それぞれの目的地に向かって旅出ったのであった。
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