ばちっ
そこから先に進もうとした私の足は、見えない何かに阻まれて止まった。
「ダメなのね…」
私はそう言うと、元来た道へと戻って行った。
話しかけても、近づこうとしても、それを阻み続ける彼女は、私の分身。
私の心の中に棲む、小さな小さな私。
心の傷が癒えない限り、彼女に近づく事も、彼女に顔を上げさせる事も出来ないのだろう。
ずっと隅の方で、膝を抱えてうずくまるその子を、いつの日か、笑わせてあげる事が出来るだろうか?
いつの日か…。