「ねぇ、今夜は雨が、降りそうよ」
千香子(ちかこ)が言った。
「あぁ」
新聞から目を離さずに、宏樹(ひろき)は答えた。
外は、雲一つ無い晴天。
「ねぇ、ご飯、おいしかった?」
千香子が言う。
「うん」
宏樹は答える。
「ねぇ…」
少し、間が空いた。

「死んでくれる?」

「あぁ」

答えた瞬間、千香子の持っていたナイフが、宏樹の背中に数回刺された。




※教訓。
 人の話は、ちゃんと聞きましょう。