【願い】
「君が呼んだから、僕はココに来たのに…」
1人の少年がつぶやいた。
側には、少女の死体が転がっている。
少女には、夢があった。
1度でいいから、空を飛んでみたい…。
少女は、毎晩星に祈っていた。
空を飛べるようにして下さいと。
そして、ある夜少女の元に少年が現れ言った。
願いを叶えてあげますと。
少女は少年を信じる事が出来なかった。
少女の手を握り、少年は空へと昇った。
少女の身体も空に浮いた。
喜ぶべき少女は、暴れ出した。
「嫌ぁっ!?降ろしてぇっ」
少年は戸惑う。
少女の望みを叶えただけなのに。
少女は、喜ぶより先に、驚いて取り乱してしまったのだった。
…少女の手は少年の手を離れ、少女は下へと落ちていった。
少年は、ため息をつくと空に帰って行った。
「人間は、よくわからないな…」