【プレゼント】

目が覚めると、何だか窮屈な所にいた。
真っ暗で、何も見えない。
動こうとしても、壁にぶつかって思うように動けない。
しかも、何だかグラグラ揺れているみたい。
ここは、何処なんだろう?
さっきまで、ママのお腹の所で寝てたハズなのに…。

「ただいま」
1人の男が、箱を抱えて家に入って行きました。
テーブルには、ケーキやおいしそうな料理が沢山並んでいます。
「パパ、おかえりなさい!」
女の子が、嬉しそうに駆け寄って言いました。
「有紗(ありさ)、誕生日おめでとう」
今日は、有紗ちゃんの誕生日なのです。
ハッピーバースデーのお歌を歌って、料理を食べて、ケーキの上のローソクの火を、有紗ちゃんが吹き消します。
楽しい誕生日パーティー。
父親が、テーブルの下に置いてあった箱を取り出しました。
「誕生日プレゼントだよ。開けてごらん」

突然、パッと明るくなった。
眩しさに一瞬目を閉じて再び目を開けると…女の子が僕を覗き込んでたんだ。
「パパ、ありがとう!」
女の子はそう言うと、僕を抱きあげた。