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爺閣下「これからどーするぞなもし?」
夕姫「取り敢えず情報集めながら皆のレベルあげるでち」
制作者も一緒になってパンダを追っていた為か、パーティーのレベルはまだ低かったりもする。
爺閣下「え───っ?俺っちの出番が減るぞなもし〜」
爺閣下が抗議の声をあげたが、皆は無視してゾロゾロと歩き始めた。
何せ9人だし。

───モンスターが現れた!
夕姫「早速出たでちゅっ!みんないきま…」
夕姫が言い終わらないうちに、モンスターはお嬢にあっさり倒されてしまっていた。
夕姫「お嬢…強いでちゅね…」
お嬢「あたい、LV10だから」
お嬢がニッコリ笑って言った。
最初に出会った時、既にこのレベルだったらしい。
夕姫『ククク…お嬢を戦闘メンバーに入れておけば、しばらく楽してレベルが上げられるでちゅ』
夕姫は心の中でつぶやいた。
このRPGではモンスターを倒した経験値は戦闘メンバーに割り当てられるのだ。
腹黒い赤ちゃんである。

こうして夕姫達は、次の町へと辿り着いた。
お嬢「あたいお腹すいた〜」
町に入っての開口一番がコレである。
夕姫「パッ…パンダちゃんは食べちゃダメでちゅよっ」
夕姫が慌てて言った。
パンダは怯えている。
お嬢「大丈夫よぉ〜。今はまだ食べないから」
フォローになっていない。
取り敢えず夕姫達は飲食店に入る事にした(もう何でもアリだったり)。
店では丁度良くとでも言うのか、大食い大会が開かれていた。
景品は骨付き肉!
パンダの大好物である。
お嬢「あたい参加する〜」
お嬢の目がハートになっている。
純一「俺も出る」
実は純一も大食いだった。
お嬢「負けないわよっ」
純一「俺だって」
2人の間に、何故か火花が散った。
夕姫「パーティー内で争わないで下ちゃいよっ」
夕姫が言ったが、2人の耳には入らないようだった。
かくしてパーティーの中の2人が、大食い大会に参加する事となった。



かくして大食い大会は始まった…。
お嬢と純一以外は、2人を応援する事になる。
何故か出場する2人よりも、応援する応援狼の方が張り切っているようだが…まあ当然のような気もしないでもない。
はじめの料理が運ばれてきた。
1品目は、豚の丸焼き2頭。
普通の人間にはとても食べられない量だと思うのだが…出場者は全員食べ切った。
化け物揃いなのか?
そして2品目は直径2メートルはあるかと思われる皿に、山のように盛りつけられたカレー。
純一が早くもリタイアしたが(辛いのが苦手だったらしい?)、他の出場者はあっさりと食べ切ってしまった。
次々とバカみたいな量の料理が運ばれて来たが、リタイアする者は出て来なかった。
勿論お嬢も。
10品目を過ぎたあたりから、リタイアする人が出て来た。
どんどんリタイアしていき…勝負がついたのは、38品目の料理でだった。
結果はお嬢が優勝!
一体どんな胃袋をしているんだ?…皆がそう思ったのも無理がないだろう。
お嬢は景品に骨付き肉を10000本も貰い、上機嫌で1本をぱんだに渡した。
それだけ貰って1本だけ。
そしてパーティーはその町の宿屋に泊まる事にした。
予想している人もいたであろうが…宿屋には、またもやなおこがいた。
なおこ「いらっしゃいまし〜」
お嬢「なおこ…何でまたここに?」
愚問であるとは思いながら、お嬢が聞いた。
なおこ「またお引っ越ししたんですよ〜」
夕姫「…もちかちて…お引っ越しが趣味なんでちゅか?」
今度は夕姫が聞いた。
なおこ「はい〜。またお会い出来て嬉しいです〜」
どうやらこの先も、なおこに出会う事がありそうだと、夕姫とお嬢は直感していた。
その時、爺閣下が口をはさんだ。
爺閣下「俺っちもまた会えて嬉しいぞな〜」
どうやらまだ諦めていないらしい。
なおこ「私、爺ぃは嫌いです〜」
なおこはニッコリ微笑んで言った。
爺閣下はかなりのダメージを受けた。
爺閣下「ひ…酷いぞなもし〜」
皆が笑った。
ともあれ、パーティーは部屋を取って眠る事にした。



時刻は午前2時。
宿屋の2階で、爺閣下がこっそりベッドを抜け出した。
別に誰かの所に夜ばいをかけに行くわけではない。
爺閣下は抜き足さし足忍び足で階段を降り、WCと書いてあるドアを開けた。
ようするにトイレである。
爺閣下「すっきりしたぞなもし」
爺閣下がそう呟きながらトイレを出た時、何かにぶつかりそうになった。
ここは寝ぼけてても盗賊。
爺閣下はサッと避けたが、次の瞬間驚いた。
爺閣下「お…俺っちぞな?」
そこには、爺閣下にそっくりな人が立っていたのだ。
ドッペルゲンガーか?はたまた生き別れた双子の兄弟なのか?
「俺っちは一人っ子だぞなもし!」
おっと…爺閣下に否定されてしまった。
じゃあやっぱりドッペルゲンガー?
爺閣下「おぬし…魔物クサイぞなもし」
爺閣下が言った。
なる程、魔物が爺閣下に変装しているらしい。
ニセ爺閣下「ふっ…鼻がきくらしいな。まあいい、どーせお前はこの場で死ぬ運命なのだからな!」
ニセ爺閣下が言った。
トイレの前で、戦闘開始である。
───ニセ爺閣下が現れた!
爺閣下「偽物の分際で、本物を倒そうだなんて無礼もいいトコぞなもし」
───爺閣下はネッシー(死ねを反対にしてちょっといじっただけ。つまり、死ねという呪文である。爺閣下は、一応魔法使いでもあるのだ)を唱えた!
ニセ爺閣下「ナヌ!?」
───ニセ爺閣下はあっけなく死んだ。
───戦闘終了。爺閣下はニセ爺閣下を倒した!
戦闘時間が短いのは、制作者の陰謀に違いない。
爺閣下「仲間が危ないぞなもし!」
さすがにそこまで頭は悪くないらしい。
爺閣下は仲間の元へと向かった。
───が…他の仲間の偽物達は、まとめてお嬢に片付けられていた。
爺閣下「つ…強いぞなもし」
爺閣下があっけに取られている中…
お嬢「夜更かしは美容の敵なのに〜」
お嬢はそう言うとベッドに戻って数秒で再び寝つき、夕姫は何事もなかったかのように寝ていた。
皆、太い神経の持ち主らしい。
再びベッドに戻った爺閣下も、数秒で眠りについていた。



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