JEST

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魔の森を進む、夕姫とお嬢。
当然ながら、モンスターはお嬢が片付けていく。
そして2人は、魔の森の奥へと辿り着いたのだった。
バニーちゃんや、他にさらわれたであろう人逹がそこにはいた。
バニーちゃんが夕姫に気付く。
バニーちゃん「あら夕姫ちゃん、捜したのよ」
夕姫「捜したのはこっちでちゅ。バニーちゃん大丈夫でちゅか?」
バニーちゃん「アラ、そうだったの?」
おとぼけキャラである。
その時お嬢は気付いた。
お嬢「アラァ?こういう話につきものの中ボスちゃんはぁ?」
確かに…バニーちゃん逹をさらったハズの敵さんの姿がない。
夕姫「今のうちにみんなで森を出るでちゅ!」
夕姫が言った。
が、何故かみんな動こうとはしなかった。
夕姫「?」
お嬢「御飯でも食べに行ってるのかしらねぇ?」
夕姫「………」
その時だった。
バニーちゃんが突然笑い出す。
お嬢「笑い茸でも食べたの?」
バニーちゃん「まだ気付かないの?人々をさらったのは私よ」
当然ながら驚く夕姫。
夕姫「…何でちゅって?」
バニーちゃん「だからぁ、この人逹をさらったのは、わ・た・し」
夕姫「お手伝いの仕事に飽きたからって早まらないで下ちゃいっ」
バニーちゃん「………」
お嬢「夕姫、さっさと殺しちゃいましょう?」
夕姫「…何て事言うんでちゅか」
お嬢「悪者は殺すに限る!」
お嬢は1人で納得していた…。
───わけがわからないまま、戦闘開始である。
───お嬢の攻撃!
バニーちゃんに4のダメージ。
バニーちゃんは泣き出した。
夕姫はバニーちゃんをなだめている。
───バニーちゃんの攻撃!
夕姫に3のダメージ。
夕姫「バニーちゃん、泣きマネだったんでちゅね!酷いでちゅっ」
───夕姫の反撃。
必殺の一撃!
…は、何故かお嬢にあたった。
お嬢は5のダメージを受けた。
夕姫「あ…。ごめんなちゃいでちゅ」
夕姫は謝った。
お嬢が切れた!
───お嬢は持っていた剣を振り回した。
ミス!
誰もダメージを受けない。
───夕姫の攻撃!
バニーちゃんに2のダメージ。
夕姫の武器(ほにゅうびん)が割れてしまった。
夕姫は鞄から新しいほにゅうびんを出した。
───お嬢の攻撃!
バニーちゃんに4のダメージ。
───バニーちゃんはお化粧直しをしている。
───夕姫の攻撃!
バニーちゃんに3のダメージ。
バニーちゃんを倒した!

お嬢「中ボスのわりには弱くない?」
夕姫「倒せれば何でもいいでちゅ」
───こうして、夕姫とお嬢の活躍でさらわれた人逹は家に帰る事が出来たのだった…。



夕姫「アレ?町の出口にいたおっちゃんがいないでちゅね」
魔の森に行く前には、町の出口に人がいて、町を出る事が出来なかった。
お嬢「簡単な事だよ夕姫。だってコレRPGだし…」
お嬢が言おうとしている事が、おわかりになるだろうか?
つまり、RPGにはつきものの、何かを達成しないと次に進めないというイベントが設定されていた為、先に進めなかったのである。
夕姫「なんか躍らされてるようでムカちゅきまちゅね!」
…その通りである。
夕姫「制作者出て来いでちゅっ!」
…アンタのママだよ、夕姫。

お嬢「ま、そんな事言ってても仕方ないからさ、取りあえず今日は宿にでも泊まろうじゃないの」
夕姫「そうでちゅね。制作者には後でヤキ入れときまちゅ!」
───と、いうわけで2人は町の宿屋に着いたのだった。
宿屋の娘「いらっしゃいまし!お泊まりですか?」
お嬢「アンタ泊まる以外に宿屋に何しに来るの?」
宿屋の娘「アンタじゃないですよ!ちゃんとなおこって名前がありますっ!…でも、それもそうですね。2名様ご案内で〜す!」
「………」
お嬢「ここ、アンタ以外誰かいるの?」
なおこ「………」
夕姫「あたちたち疲れてるんでちよ!早く部屋に案内して下ちゃい!」
夕姫は何故かイラだっているようだった。
わかる気もしないでもないが…。
なおこ「じゃ、2階の部屋をお使い下さいね。同室でいい?お嬢ちゃん」
お嬢「…ちゃん?」
お嬢は、ちゃん付けされるのが嫌いだった…。
なおこ「あ…あなたの事じゃないですよっ」
なおこは慌てた。
───一体いつになったら2人は眠る事が出来るのか?
…結局、2人が眠る事が出来たのは宿屋に着いて2日目の夜だった…。

展開の遅すぎる【JEST】、一体いつになったら目的を果たす事が出来るのか?
それは、制作者のみが知る…。



なおこ「また来て下さいね───っ!」
手を振るなおこを後にして、夕姫とお嬢は宿屋を出た。
夕姫「回復しに行ったのに…なんだか余計に疲れまちた…」
お嬢「そう?あたいは結構楽しかったんだけどな」
ともあれ2人は、ようやくやんちゃ町を出る事になったのだった。
お嬢「で?篤樹の居場所はわかってんの?」
夕姫「わかってたらとっくに行ってまちゅ」
お嬢「………」
夕姫「まずは隣町に行ってみるでちよ」
で、その目的地、隣町はその名の通りやんちゃ町のすぐ隣に位置していた。
距離にして、500mという所だろうか。
お嬢「夕姫〜!あたい疲れた〜」
やんちゃ町を出てわずか200m位しか進んでいない所で、お嬢が言った。
夕姫「何言ってんでちゅか!まだちょっとしか………え?…」
そう言ってお嬢を見ると、お嬢の背中に何かがくっついていた…。
夕姫「お嬢?…な…何でちか?…ソレ…」
お嬢「え?」
…お嬢は気がついていないらしい。
お嬢にくっついているもの…それは、盗賊のような魔法使いのような…変なオヤジだった。
お嬢「な…なによコレ───ッ!?」
やっとお嬢も気づいたらしい。
お嬢にくっついていたオヤジは、ニヤニヤと笑いながら言った。
謎のオヤジ「ねーちゃんいいケツしてるぞなもし…グヘッ…グヘッ…」
───ブチッ
何かが切れる音がした…。
お嬢「おんどりゃあっ!何かましてんじゃいっっ!」
お嬢はオヤジを振り払い、剣を抜いた。
夕姫「お嬢!やっちゃえでちゅっ!」
夕姫はお嬢を応援している。
お嬢「おりゃあああっ!」
───お嬢の攻撃!
オヤジはかわした。
謎のオヤジ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさ───いっ!」
オヤジはしきりに謝っている。
お嬢「聞く耳持た───んっ!」
───再び、お嬢の攻撃。
サッ
またもやオヤジはかわした…。
お嬢「ハァッ…ハァッ…なんて素早いヤツなの?」
謎のオヤジ「…一応盗賊入ってるのでの…」
───戦闘終了。
お嬢はオヤジを切るのを諦めた。
夕姫「…アンタ一体何者なんでちゅか?」
謎のオヤジ「よぉくぞ聞いてくれたぞなっ!俺っちの名は爺閣下ぞなもし!魔法使いの上に盗賊の能力も備え持つ、優れ者ぞな!」
お嬢「………行こっか…夕姫…」
夕姫「そでちゅね…こんなのにかまってたら時間の無駄でちゅ」
2人はスタスタ歩いて行く。
爺閣下「待つぞなもしぃ───っ!」
爺閣下の叫びも虚しく、2人は隣町に向かって再び歩き出したのだった…。



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