JEST

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───夕姫達がまだ宿屋で作戦会議をしてる頃、木の上で昼寝していたパンダが目を覚ました。
何かに気づき、あたふたしている。
どうやら、手に持っていたお肉を落としたらしい。
フワッ…
木から降り、キョロキョロと回りを見る。
が、肉は見当たらない。
パンダはがっくり肩を落としたと思うと歩き出した…。

───夕姫「何だかここで作戦会議してても、らちがあかないでちゅね」
お嬢「そうね…爺ぃ、パンダが出現しそうな場所って、わからないの?」
爺閣下「知ってるぞなもし?」
爺閣下は当然のようにそう言った。
夕姫「直接捕まえに行った方が早いんじゃないでちゅか?」
お嬢「確かに…」
なわけで3人は、宿屋を出たのだった。

───パンダはフィールドにポツンと建っている、パチンコ店についた。
人間に変化(へんげ)して店に入り、台に座る。
このパチンコ店には、景品の中に肉があった。
パンダはその肉を狙っているのである。
が、今日のパンダはツイていなかった。
玉がどんどん減っていく…。

───爺閣下「パンダちゃんは大抵木の上かカジノかパチンコ屋にいるぞなもし」
どこで調べたのか、どうして知っているのか等は、物語の進行上制作者が勝手に設定しただけなので、深く考えないでおこう…。
取り敢えず3人は、フィールドにポツンと建っているというパチンコ店に向かう事にした。
大当たりである。
が…予測しない事が起こる。
勿論制作者の意地悪なのだが、爺閣下は方向オンチだった…。
お嬢「爺ぃ…まだつかないの?」
夕姫「もう大分歩いてまちゅよっ」
2人は文句を言っている。
爺閣下「…迷ったぞなもし」
爺閣下がポツリと言った。
当然2人は大激怒…しかし、ちょうど良くそこに旅の商人が通りかかった。
3人は、旅商人に道を聞く事にした。
夕姫「商人の兄ちゃん、ここ何処でちゅか?」
お嬢と爺閣下は、軽くコケた。
お嬢「夕姫、あたいが聞くよ…」
お嬢が聞こうとした時、旅の商人は持っていたリュックから商品であるおにぎりを出していた。
お嬢は旅の商人の手からおにぎりを奪い取ると、あっという間に食べてしまった。
旅の商人「10Gだよ」
夕姫は10G支払った。
旅の商人「毎度あり〜」
旅の商人がそう言って再び歩き出そうとするのを、爺閣下が止めた。
道を聞く前に去られては大変である。



はみ出し【JEST】篤樹編!

篤樹は今、ある塔の中にいる。
カジノで連れ去られて以来、助けは来ない。
手足を縛られているわけではないので自由に動く事は出来るが、当然ドアには鍵が掛かっていて出られない。
篤樹「僕、いつまでここにいればいいのかな?」
篤樹がつぶやいた。
幽閉されて、一体どれ位の時がたっているのか、制作者にもわからない。
窓から外を見渡しながら、篤樹は考えていた。
『この窓から、外に出られないかな?』
窓に鍵はかかっていない。
だが、ここは塔の最上階で、飛び降りるには高さがあり過ぎた。
篤樹「ここから飛び降りたら、死んじゃうよな…」
いくら下が海だとはいえ、飛び降りたら無事では済まないという事は篤樹にもわかっていた。
───ため息をつく篤樹。
篤樹「誰か早く助けに来てよ…」
泣き出しそうな顔をして、篤樹が言った。
篤樹は知らない。
夕姫達が、篤樹の事を忘れて珍獣パンダの捕獲に燃えている事を。
あてもなく、ただ篤樹は助け出される日を待ち続けるのであった。



旅の商人に道を聞かなければ、パチンコ店へは着かない。
しかし…
お嬢「食いもん、もっとないの?」
お嬢は全く違う事を聞き、
夕姫「迷子なんて嫌でちゅ───っ」
夕姫は泣き出し、
爺閣下「パチンコ店の場所を教えて欲しいぞなもし」
…まともに聞いているのは爺閣下だけであった。
が、さすが旅の商人とでもいうのか、旅の商人は食べ物をお嬢に渡し、夕姫を抱っこしてなだめながら、パチンコ店への道を教えてくれた。
旅の商人「教え賃1000Gだよ」
ピタッと泣きやむ夕姫、すごい勢いで食べるお嬢。
3人は一瞬顔を見合わせると、一斉に逃げだした!
旅の商人「おいっ」
3人を追う旅の商人、逃げる3人。
旅の商人「泥棒───っ」
爺閣下「盗賊と呼んで欲しいぞなもし?」
夕姫「お嬢食べすぎでちゅっ」
お嬢「食い足りな───い!」
───旅の商人が突然ピタッと止まった。
3人「?」
旅の商人は、リュックから何かを取り出した。
Hな本だ。
旅の商人「この太ももがたまりませんなぁ」
爺閣下がピクッと反応した。
夕姫「罠でちゅよっ」
夕姫が叫んだが、爺閣下は素早く旅の商人の所へ…いや、Hな本の所に行ってしまった。
───爺閣下は旅の商人に捕まった。
お嬢「…どうする?夕姫」
夕姫「爺閣下は置いていくでちゅ」
2人はスタスタと歩き出した。

一方、捕まった爺閣下は…Hな本がニセモノ(カバーだけかえてあった)だという事に気付き、さっさと逃げ出した。
お忘れだろうが、爺閣下は魔法使いであると同時に盗賊でもある。
逃げるのなんておちゃのこさいさいであった。

数十分後、3人はまた合流する事となり、パチンコ店を目指して歩いていたのだった。



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